寿曽我対面

ことぶきそがのたいめん

 

本外題…寿曽我対面

通称…曽我対面、対面

 

初演…延宝4(1676)年(現在の演出は明治36年に初演されたもの)

作者…不明(現在の演出は河竹黙阿弥の台本が元となっている)

 

 

主な登場人物

・曽我十郎祐成(そがじゅうろうすけなり)

・曽我五郎時致(そがごろうときむね)

・工藤左衛門祐経(くどうさえもんすけつね)

・小林朝比奈(こばやしあさひな)

  →演出によっては妹・小林舞鶴(まいづる)が登場することもある

現在上演されているものは河竹黙阿弥の台本と言われています。

 

日本三大仇討の一つで

鎌倉時代初期の曽我兄弟の仇討ち事件をもとにしています。

これを題材とした演目は多く、「曽我物(そがもの)」「曽我狂言(そがきょうげん)」などと呼ばれます。

(助六所由縁江戸桜、外郎売、矢の根、吉例寿曽我、正札附根元草摺…など)

 

​令和を生きる私たちにとってこの仇討ちはそんなに印象深いものではないかもしれませんが江戸時代の人々にとっては「曽我物語」として一般に広く知れ渡った有名な仇討ちなのです。

 

父の敵である工藤祐経と対面するだけの場面ですが

歌舞伎らしい演出や役どころが揃う華やかな演目なのでお正月や襲名披露興行などおめでたい舞台でよく上演されています。

また若い兄弟が長年苦労したのち権力者である工藤への仇討ちを果たしたこの物語は江戸歌舞伎では正月に必ず上演され悪霊払いの意味合いもあったといいます。

 

 

十八年かかってようやく対面が叶った曽我兄弟。

場面は正月を迎えた工藤の館です。

朝比奈(または舞鶴)の手引きで工藤と曽我兄弟が対面します。

工藤は宝剣・友切丸が見つかるまでは仇討ちはできないという。

そこへ曽我家の忠臣・鬼王新左衛門が友切丸が手に入ったと駆けつけます。

工藤は富士の裾野の巻狩の総奉行の役目を終えたら兄弟に討たれてやると約束し兄弟に通行切手を渡し別れるのであった。

 

 

和事の十郎に荒事の五郎、道化役の朝比奈などいかにも歌舞伎らしいキャラクターが揃い、歌舞伎を初めて観る方にはオススメの演目と言えます。

 

歌舞伎の見得には種類がありますが、この演目の幕切れでは舞台上の役者が全員で1枚の絵のように決まる「絵面の見得(えめんのみえ)」を見ることができます。

歌舞伎の様式美が堪能できる演目です。

© 2017 Tomoko Shimokawa