あおとぞうしはなのにしきえ

青砥稿花紅彩画

通しで上演する時は本外題の「青砥稿花紅彩画」、

通称は「白浪五人男」、

“浜松屋”と“勢揃い”の場面だけの時は「弁天娘女男白浪」、

尾上菊五郎がつとめる時には「音菊弁天小僧」と題が替わります。

 

初演…文久2年(1862)

作者…河竹黙阿弥

 

主な登場人物

・弁天小僧菊之助…女に化け悪事を働く

・日本駄右衛門…白浪五人男のリーダー

・南郷力丸…小田原の漁師の息子

・忠信利平…赤星家の家来筋

・赤星十三郎…信田家の小姓

 

通し狂言で上演すると、

初瀬寺花見の場、

神輿ヶ嶽の場、

稲瀬川谷間の場、

浜松屋の場、

蔵前の場、

稲瀬川勢揃の場、

極楽寺屋根立腹の場、

極楽寺山門の場、

滑川土橋の場という場面があります。

通し狂言での上演は滅多になく、

現在よく上演されるのは浜松屋〜稲瀬川勢揃の場です。

 

弁天小僧菊之助というのは、美男を武器に若殿や女に化けて悪事を働く盗賊。

千寿姫というお姫様を騙して家宝の香合を奪い、千寿姫は身をなげます。

弁天小僧菊之助は日本駄右衛門と出会い、手下となる。

南郷力丸、忠信利平、赤星十三郎も仲間となり、“白浪五人男”が誕生。

 

…という前段があり、浜松屋の場となります。

振り袖姿の美しい武家娘(実は弁天小僧)と供の若党(実は南郷力丸)が呉服屋浜松屋に現れます。

出された品を万引きしたと見せかけて、ゆすりをはたらく二人。

大騒ぎとなっているところへ、店の奥から玉島逸当(実は日本駄右衛門)が現れ、娘を男と見破ります。

すると開き直って正体を現す。

ここで聞けるのが名台詞「知らざぁ言って聞かせやしょう」から始まる七五調のセリフです。

そして、先ほどの騒ぎの中で弁天小僧の額に出来た傷の膏薬代を受け取り弁天小僧と南郷力丸は引き上げます。

その後、玉島逸当も実は日本駄右衛門だということが知れる。

 

店の主人である幸兵衛から全財産をせしめようとするのだが、なんと幸兵衛の息子が実は日本駄右衛門の実子であり、弁天小僧が幸兵衛の実子だということが判明。何も盗らずに去って行くのであった。

 

場面は変わり、稲瀬川勢揃の場。

五人は稲瀬川に勢揃い。捕手たちに取り囲まれる。

ここで、一人ずつ名乗りのツラネをあげます。

そして、追いつめられた弁天小僧は極楽寺の大屋根で大立廻りののちに切腹。

南郷力丸、赤星十三郎、忠信利平もそれぞれ捕われ、最後に名将青砥藤綱の手によって日本駄右衛門もついに捕らえられます。

© 2017 Tomoko Shimokawa