
歌舞伎辞典
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聴いてみよう!
長唄三味線の世界
無観客ライブ配信
「歌舞伎をもっと観たくなる長唄三味線の世界 特別編 『土蜘』」

歌舞伎の音楽には
長唄(ながうた)、義太夫(ぎだゆう)、常磐津(ときわず)、清元(きよもと)と種類があります。
さらにその中で三味線を担当する人、唄を担当する人にわかれます。
長唄の三味線を担当する人を長唄三味線方(ながうたしゃみせんかた)といいます。
この度は長唄三味線方の三代目 柏要二郎(かしわ ようじろう)さんに掲載許可を頂きまして長唄三味線の世界をご紹介いたします。
ながうたしゃみせんかた さんだいめ かしわようじろう
長唄三味線方 三代目 柏要二郎 様
一般社団法人長唄協会会員
長唄柏流同門会常任理事
尾上菊五郎劇団音楽部
1983年(昭和58年)、東京生まれ。
父は、三代目 柏伊三郎(かしわいさぶろう)。
5歳の時に今藤文子師に入門し手ほどきを受け6歳で初舞台を踏む。その後20数年にわたり同師に指導を受ける。
19歳の時に今藤美治郎師に入門し本格的に長唄三味線方としての修行を始める。
平成15年10月歌舞伎座にて行われた十二代目 市川団十郎丈・四代目 尾上松緑丈の『連獅子』にて柏誠一を名乗り歌舞伎座初出演。
平成16年4月柏流同門会より柏要二郎の名を許され、同年5月歌舞伎座にて行われた「十一代目 市川海老蔵襲名披露興行」の『勧進帳』に出演。また同年10月同襲名披露興行パリ公演にも参加。これを皮切りに四代目 坂田藤十郎丈による「近松座韓国公演」、十二代目 市川団十郎丈・十一代目 市川海老蔵丈による「パリオペラ座公演」にも参加し、20代前半で3度の海外公演を経験する。
20代から30歳過ぎまでは歌舞伎専従者としてではなくフリーの長唄三味線方として、歌舞伎公演の出演を中心に、その他にも東京をはじめ全国各地で行われる日本舞踊公演や長唄演奏会にも出演し、地道に演奏家としての下積みを積む。
平成27年5月尾上菊五郎劇団音楽部に入部し、歌舞伎専従の長唄三味線方となる。
平成28年7月公文協巡業の『鳴神』にて初めて黒御簾の舞台師を勤める。またこの巡業で初めて幕外の大薩摩も勤める。
平成29年1月「新春浅草歌舞伎」の『棒しばり』にて初めて歌舞伎本興行での立三味線を勤める。
令和2年8月「八月花形歌舞伎」の『棒しばり』にて初めて歌舞伎座の立三味線を勤める。
本拠地東京では歌舞伎座・国立劇場・新橋演舞場などで数多くの歌舞伎公演に出演し、大阪・京都・名古屋・博多など各地方の劇場でも多くの公演に出演。
メディアではNHK FMの邦楽番組、NHK Eテレの歌舞伎番組、日本舞踊番組等に出演し、2014年4月にはテレビ朝日「題名のない音楽会」にも出演をした。
二代目 柏伊三郎・九代目 坂東三津五郎は祖父に、十代目 坂東三津五郎は叔父に、二代目 坂東巳之助は従兄弟にそれぞれあたる。

柏要二郎さんは2021年5月 歌舞伎座公演
五月大歌舞伎の第一部「土蜘(つちぐも)」にて立三味線をお勤めになられました。
この舞台で一緒に立唄をお勤めになられた芳村辰三郎さん。同じく脇唄の杵屋長寿郎さん。
そして脇三味線には、杵屋長之介さんと、五月大歌舞伎出演陣による演奏を無観客ライブにて配信を行いました。

演奏の合間に聴きどころ等を紹介しながら進行し、
土蜘の歌詞もダウンロードできますのでそれと照らし合わせながら演奏を楽しむことができました。
2021年6月21日にライブ配信を終え、既に多くの方も楽しまれたことと存じます。
私も五月大歌舞伎そしてライブ配信、
さらには要二郎さんがSNS等で発信されている長唄三味線の豆知識などもとても興味深く拝見しておりました。
歌舞伎音楽の分野に関しましては私もそれほど詳しくはありませんが
初心者にとっても優しい解説で配信を楽しむことができました。
こちらの配信のアーカイブ視聴期間は2021年7月4日をもちまして終了いたしましたが、
下記より今後の最新イベント情報や過去の配信をレンタルでご覧いただくことができます。
是非チェックしてみてくださいね♪
三代目 柏要二郎さんのSNSやホームページもチェック
この記事は三代目柏要二郎さんに掲載許可を頂き
2021年6月24日に公開、
2021年7月6日に再編集したものです。
歌舞伎辞典 下川智子