1 お父様やお祖父様に教わったことで印象に残っていることはありますか。

 

兎に角、「どんな役でも行儀良く勤めなさい」とは、折に触れ子供ながらに厳しく言われました。

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2 今、お父様に会えるなら何を聞きたいですか。

 

聞きたいというよりも、ただ一言「申し訳無い」と謝りたいです。

 

3 左近さんも中学生になられ、これからのご活躍が楽しみです。役者としての左近さんをみてご自身と似ていると感じるところはありますか。

 

私よりは彼の祖父、先代辰之助に似ているのではないでしょうか。

 

4 松緑さん自身が小学生の頃、お父様に「無理に舞踊家にも俳優にもなることはない。他にもやりたいことがあるんならその必要は全くないよ」と言われたエピソードがありますよね。

左近さんとはそういった会話はありましたか。

 

私も息子にそう伝えました。今の所、本人はとてもやる気ですが、ただ彼の人生の可能性を狭めたくは無いですね。

 

5 左近さんにどのような役者に育ってほしいと思いますか。

 

歌舞伎役者として生きていくのならば、彼の祖父、曾祖父を見習って欲しいと思います。

 

6 ご自身の過去を振り返って、若い時にこれをやっておけば良かったと思うことがあれば教えてください。

 

学生時代の謂れの無い中傷、差別には無視を決め込まず

徹底的に立ち向かっておけば良かったと後悔しています。

 

7 上記とは逆に、若い時にこれを経験してよかったと思うものはなんでしょうか。

 

虐げられる者の悲しさ、そして強さを、実体験として経験出来たのは最低限度、悪くなかったかなと。

 

8 役者にとって大事なことはなんだと思いますか。

 

健康は大事だと思います。

 

9 今の若手の役者さんをみて、ご自身が若い時より恵まれているなと思うことはありますか。

 

昔よりは遥かに楽屋内の陰湿な虐めが無くなった事ですかね。

今は、楽屋も割と風通しが良くて過ごし易いと思います。

 

10 藤間流の家元でもある松緑さん。日本舞踊の中でもとても大きな流派であると存じます。

家元としての責任感など、どのようなところに感じていますか。

 

家元藤間流と云う物を我が子だけでなく後世に残していかなければいけない、

と云うのが一番大きな責任です。

 

11 娯楽が溢れている現代でありますが、古典芸能の将来に不安もしくは希望を感じることはありますか。

 

有ります。

 

12 日本舞踊にしかない魅力はなんだと思いますか。

 

素踊りで、扇子一本、手拭い一枚で全てを表現すると云うのは難しくも、

演り甲斐の有る事だと思います。

 

13 一番最初に稽古した舞踊は何でしょうか。

 

「歌舞伎踊り」、「関の小万」、「槍奴」の三本が家元藤間流では、子供が一番最初に習う踊りです。

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